頭皮脂の効果や特徴|皮脂の過剰や過小が問題なのです!

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今回は、「頭皮脂」についてです。皮脂の悪い面ばかりが取り上げられますが、毛髪の生育にとってはなくてはならない存在です。

ですので、メリットとデメリットの両サイドから見ていきましょう。

 

皮脂の基本

皮脂というのは、皮脂腺というところから出ている油分です。頭皮で言えば、毛穴を入ったところでつながっていて、毛穴から染み出してきて頭皮や毛髪に広まり、薄い膜を貼ります。

一般的に皮脂の分泌が多いとされているのは顔の「Tゾーン」ですが、頭皮に関しては、なんとTゾーンの3倍~5倍もの皮脂が分泌されています

皮脂の分泌は、新生児期と思春期以降にピークを迎え、女性は20代、男性は30代で分泌のピークを迎えるとされています。

ちなみに、女性よりも男性の方が皮脂の分泌量は多いです。これは、テストステロンという男性ホルモンが、皮脂の分泌を促進する効果を持っているためです。

 

皮脂の成分

WS000264皮脂の構成成分は当然年齢や性別、個人によって異なってきますが、大まかには成分の割合が一定です。

 

最も多いのがグリセロール類で50%、次に脂肪酸が10~30%、ワックスエステルが約20%という割合になっています。

 

なんとなくこれらの成分の名前から分かるかもしれませんが、「油分」がほとんどの割合を占めて、まさに皮「脂」と言えます。

 

そして、これらの「油分」が下記に示すような効果を見せてくれます。

 

皮脂の持つ効果・メリット

保湿機能

WS000267皮脂の油分と汗などの水分が交じり合うことによって、皮脂膜を作って頭皮に膜を貼り、水分蒸発を防いでいます。

これによって頭皮の乾燥を防ぎ、ふけやかゆみといった症状になりにくくしてくれるのです。

 

また皮脂は、寝ている間などに頭皮から毛先へと伝っていき、毛髪にも膜を張ります。

 

この効果によって毛髪のツヤなどが良くなりますので、「見た目の美しさ」にも、皮脂は関係しているという事になります。

 

抗菌・殺菌機能

皮脂は、皮膚に存在している常在菌が酵素によって分解して作り出してくれたり、あるいは自然に酸化して、脂肪酸となります。

そして、脂肪酸が肌にとって最適な弱酸性(PH4.5~PH6.0)を維持してくれたり、酸に弱いことが多い細菌や雑菌の殺菌を行ってくれます。

これによって、皮膚常在菌の繁殖を抑え、その数を適切な水準にコントロールしてくれるのです。

 

その他

皮脂というのは、ずるずると滑ります。ですから、皮脂が分泌されている事によって、傷や怪我を防ぐという働きがあります。

 

皮脂が多いと生じるデメリット

頭皮の嫌な臭いが増す

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前述のように、皮脂が自然と酸化したり細菌の酵素によって酸化されると、脂肪酸になりますが、実は頭皮の嫌な臭いの原因となってしまいます。

 

また年齢を経る毎に、活性酸素の分泌が増えて脂肪酸が生成されやすくなります

 

ですから、中年男性の加齢臭が気になるのはこういった事情があり、ある意味「臭くて当然」と言えるでしょう。

 

ふけ・炎症・かゆみなどの症状を出てくる

WS000266皮脂が過剰分泌してくると、頭皮がじめじめとして、雑菌が繁殖しやすい状況が生まれます。

細菌にとって、頭皮や毛髪の根元というのは「熱帯雨林」に近い状況で、皮脂の分泌によってさらに湿度が上がります。

 

ですから、繁殖するには最適な環境といえるのです。そしてそういった菌の中には、脂肪酸を分解して脂肪酸を生成する菌や、皮脂を分解する事によって頭皮の乾燥をもたらす菌もいます。

これによってふけの増加、皮脂の分泌の促進、かゆみ、炎症といった症状を引き起こしてしまうのです。

また、雑菌が増える事によって、雑菌の死骸や排せつ物で頭皮環境がさらに悪化する事になりますので、なおさら症状がひどくなってしまう可能性があります。

 

皮脂が少ないと生じるデメリット

頭皮が保護できなくなる

皮脂が不足していると、紫外線や外気から頭皮を守れなくなってしまいます

これによって更なる頭皮の乾燥、ただれ、炎症、皮膚がんといった症状を引き起こしてしまいます

また、脂肪酸が少ないと細菌や雑菌が繁殖しやすくなってしまい、様々な症状を引き起こします(本当に、様々な症状です)。

 

ふけやかゆみにつながる

WS000265頭皮の保湿ができないとどんどん乾燥してしまって、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が過度に早くなってしまう可能性があります。

これによって、ふけが大量に発生したり、かゆみの原因となります。

 

また、ふけが毛穴に詰まってしまいますと、毛髪の成長を妨げることになりますので、抜け毛やヘアサイクルの短縮化を助長してしまう事になります。

 

まとめ

これまで見てきたように、皮脂というのは多すぎても少なすぎても問題で、適度に分泌されているのが頭皮や髪にとっては相応しいのです。

ですから、「皮脂=悪」といった誤った考え方は持たないようにしましょう。

正しい知識を身につける事も立派な育毛ですので、ぜひ覚えておいてください。

 

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2012年12月8日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:育毛のキホン

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